1年で一番日照時間が短い「冬至」。
冬至を迎えると「もう年末なんだな・・・」と実感しますよね。
季節の変わり目を指す冬至ですが、なぜかぼちゃを食べたりゆず湯に入るのでしょうか?
そこで今回は、冬至にかぼちゃを食べる理由や小豆を食べる由来、ゆず湯に入る意味をお伝えします。
冬至にかぼちゃを食べる理由
冬至にかぼちゃを食べる理由は、冬至の由来に関係しています。
今の時代、スーパーへ行けば一年中お肉やお魚、野菜を買えますよね。
しかし、昔は冬場になると食べ物が無くなっていました。
今と違い、冬になると野菜を収穫することも出来ないし、動物は冬眠するので狩りをすることも出来ません。
冬を越すのはとても大変な事だったのです。
そのため、冬至は「死に近い日」と言われ「厄を払う日」でもあったんです。
昔の人は夏に採れたかぼちゃを保存して冬の食料としていました。
かぼちゃは栄養素が豊富で、収穫してすぐ食べるよりも寝かしてから食べる方が栄養素が増えます。
かぼちゃには体を温める効果もあり、免疫力を上げてくれるので風邪予防にもなります。
そのことから、かぼちゃには厄除けの効果もあるとされ、厄落としのために冬至になるとかぼちゃを食べるようになったのです。
また、冬至に「ん」がつく食べ物を食べると、運が向上するとも言われています。
冬至は1日の日照時間が一番短い日、つまり太陽の力が最も弱くなる日です。
しかし翌日からは太陽の力が再びよみがえるため、運が上昇に転じると考えられました。
「いろはにほへと・・・」の最後の文字は「ん」ですね。
冬至に「ん」がつく食べ物が運が上がると言われたのは、「ん」が終わって再び「い」で始まることをかけているのです。
かぼちゃは漢字で書くと「南瓜」と書き、「なんきん」とも言われます。
なので冬至に食べる食べ物としても適していたのですね。
冬至に小豆をなぜ食べる?
かぼちゃと一緒に小豆を煮るご家庭もありますよね。
冬至に小豆を食べるのは、中国の風習に由来しています。
冬至の日の朝、中国では厄除けとして小豆粥を食べます。
小豆の赤色は、厄除けや魔よけに効果があるそうですよ。
その風習が日本にも伝わって小豆を食べるようになったといわれています。
また、昔のかぼちゃは甘みが少なかったこともあり、甘みを出すために一緒に煮ることにしたようですね。
かぼちゃと小豆の煮物を「いとこ煮」と言います。
なぜ、かぼちゃと小豆で「いとこ」になるのかご存知でしょうか・・・?
実は、いとこ煮はシャレからきているんです。
煮物は火の通りにくい硬いものから煮ていくので、「追い追い煮る」と表現します。
その「追い追い」が「おいおい」→「甥甥」となり、甥と甥はいとこ同士になるということで「いとこ煮」となったのです。
言われてはじめて納得ですよね。
冬至のゆず湯の意味は?
冬至に欠かせないゆず湯も、実はシャレからきているんですよ。
江戸時代、はじめて銭湯というものが出来ました。
出来たばかりの銭湯には、当然ですがお客は来ませんよね。
そこで、銭湯にお客を呼ぶため、冬至の日にゆずを入れることにしました。
そして、銭湯は
「冬至」と温泉に入って疲れや体の傷を癒す「湯治」をかけ、
ゆずは「融通がきく」とかけ、
「ゆず湯に入り身体が健康になれば、融通がきく」と謳ったのです。
ゆずは香りが強く、邪気を払う力もあるともいわれていることも、冬至にゆず湯に入るようになった理由です。
おわりに
冬至には、寒い冬を乗り切るためにもかぼちゃや小豆を食べて免疫力をつけてください。
ゆず湯も風邪予防のほか、血行を良くして冷え性や神経痛をやわらげる効果があるので、忘れずに入ってみてくださいね。