雪山の絶景を見るため、冬山登山特有の楽しみを満喫するために冬山登山デビューをする人は年々増えています。
しかし、冬山登山は夏山登山と比較するとリスクがとても高く、安易に行くと命の危険もあるんです。
そこで今回は、安全に冬山登山デビューができるようにリスクや注意点、必要な装備について紹介します。
冬山登山の初心者が気をつけたいリスクと注意点
夏山登山で見る景色もとても綺麗ですが、冬山登山で見る景色は夏山とはまた違った絶景を見ることができます。
冬山登山の魅力は、
- 空気が澄んでいるので、晴れると遠くまで綺麗に景色が見れる
- 白銀の美しい世界を楽しむことができる
- 霧氷が見れる
- 静かに登山を楽しめる(夏より登山者数が少ないため)
- 雪洞に泊まることができる
などです。
このようにたくさんの魅力がある冬山ですが、その分リスクもたくさんあることは絶対に忘れてはいけません。
では実際に冬山登山に行くにあたり、どのようなリスクがあって各リスクに対してどのようなことに注意をするべきか、しっかり知っておきましょう!
■道迷い
冬山では雪が大量に積もるため、登山道が雪に覆われて見えにくくなったり消えてしまいます。
登山道が消えることで、本来のコースから外れてしまい道に迷い遭難するケースが多発します。
登山道から外れてしまわないためには、まず必ずトレース(人が通った跡)の上を歩くようにしましょう。
また雪でトレースが消えてしまっても道に迷わないためには、地形図をしっかり読めるように勉強し、コンパスの使い方も理解しておく必要があります。
正しく地形図が読めてコンパスが使えれば、道に迷うことはありません。
また、いくら地形図が読めても悪天候でホワイトアウトが起こったときは、道迷いをする可能性があるので、事前に天気予報もしっかり確認しておきましょう。
■滑落
雪が溜まった部分を雪庇(せっぴ)と言いますが、この雪庇の上をあやまって歩いてしまうと、雪庇が崩れて滑落していまうことがあるので注意が必要です。
その他にも登山道に積もった雪は気象条件によっては凍ってしまうことがあり、アイゼンがうまく効かず足を滑らせ滑落してしまう危険があります。
滑落しないためには、しっかりとアイゼンやピッケルの使い方を習得しておきましょう。
■低体温症・凍傷
冬山登山では、汗をかかないような歩き方をする必要があります。
もし大量の汗をかいた状態で強風や大雪の環境下におかれると、低体温症になって死に至ることもあるんですよ・・・。
なので、低体温症にならないためには、冬山登山に適した衣服を着用することが必須です。
また、濡れた衣服や手袋はそのまま使わず乾燥させてから使うようにしましょう。
濡れた衣服や手袋を着用し続けると、濡れた部分が凍結し凍傷になる恐れがありますので注意して下さい。
とくに手袋はよく濡れるため、予備を忘れずに持って行きましょう。
■雪崩
毎年のように雪崩事故で登山者が亡くなるというニュースを目にしますよね。
どんな山でも必ず雪崩が起こる可能性があるということは覚えておいて下さい。
登山のベテランになってくると雪質や傾斜を確認し、雪崩の可能性を検討することがある程度できるようになりますが、初心者には難しくてできません。
雪崩のリスクを避けるためには、まずは第一に気象条件の悪い日に登山にいくことを止めましょう。
また、万が一に備えてビーコンは必ずもっていっていきましょう。
ビーコンが高額で購入が難しい場合は、インターネット等でレンタルができますよ。
冬山登山で必要な装備と選び方のポイント
夏山登山時に加えて、冬山登山で絶対に必要な装備と選び方のポイントについて紹介しますので、冬山登山デビューの際には参考にして装備を選んでみてくださいね。
■服装
アウター
アウターは雪山登山用の防水性と保温性のあるものを選んでください。
インナー
インナーは速乾性があるものを選びましょう。
帽子・バラクラバ
帽子やバラクラバは保温性の高いものを選びましょう。
手袋
保温性の高いインナー手袋と防水防風性の高いアウター手袋の二種類を併用しましょう。
ゴーグル・サングラス
ゴーグルやサングラスは偏光のものを選んでください。
スパッツ(ゲイター)
スパッツは自分の靴に合うサイズを選びましょう。
アイゼン
アイゼンはワンタッチタイプのものが便利です。
山の難易度によってアイゼンの爪の数を選ぶようにしてください。
あまり勾配がない山ではスノーシューの方を使用しましょう。
■登山靴
冬山登山は夏山登山より体力を使うため、夏山登山用の靴以上に自分の足に合う靴を選ぶことをが大切です。
登山用の靴はしっかりと試着してから購入してくださいね。
■持ち物
ストック
ストックは、ねじタイプだと凍結する場合があるため、ワンタッチタイプを選んだ方がいいです。
夏山用を使う場合はスノーバスケットを必ずつけるようにしましょう。
ピッケル
ピッケルは自分の身長に合った長さを選びましょう。
ビーコン
ビーコンはどんなものでも良いので、使い方がしっかり分かるものを必ず持っていきましょう。
■関連記事
登山の持ち物で初心者が必ず持っていきたい物とあると便利な持ち物